さごたに通信

2014年11月23日 04:29:44 カテゴリ: 未分類

「江守講演会+サイエンス・カフェ」についての正式の報告をここに書くとのお約束はちゃんと記憶しております。しかし今日は、それこそ「止むに止まれぬ」気持ちで、まったく別のことを書きます。

昨日駆けつけたチャリティ・コンサート(11・22、湯来温泉・湯来体験交流センター)のことです。
毎週土曜日は、原則朝から夕方まで仕事なのですが、きのうは、あえて午後から早引きさせてもらって駆けつけました…なんせ、妙先生、イタリアのルッカからご帰国後初のコンサートなのですから。

職場のある五日市から会場の湯来温泉までの約25キロ、愛車「さくら」を目一杯飛ばしたのですが、それでも15分の遅刻。すでに、吉野妙・宮本隆一(チェロ)の演奏は半ばを過ぎておりました。お二人のデュオには、10・24に東区民文化センター開催されたコンサートで既に接していたのですが、「地元」で拝聴する演奏は、また格別のものがありました。

吉野妙(ピアノ)・宮本隆一(チェロ)のデュオ

吉野妙(ピアノ)・宮本隆一(チェロ)のデュオ

その後、若いご夫妻による十三絃と尺八の合奏とか、中国舞踊とか楽しませていただいたのですが、圧巻だったのは、やはり、平岡麻衣子さんという、重い障がいを抱えてリハビリ中のピアニストの演奏でした。

正直、この方については昨日まで何一つ知らず、今日のこのチャリティへの数多くの出演者の中にこのような方が入ってらっしゃることも知らず、正直相当の衝撃でした。実は…この日、そのあと再び広島市内に出て、友人が共催しているある講演会にハシゴするつもりで、妙先生の演奏が終わって少ししたら会場を後にする予定だったのです。それでも、すぐに立ち去るのが名残惜しく、そのあとも客席の後ろに立ったまま色々と聞かせていただいている内に、この麻衣子さんの劇的な登場に釘付けとなり、すぐに友人に「サボり」の侘びメールを短く送ってから、じっくりと最前席に腰を下ろして鑑賞させていただきました。
(ここまでは、さきほどFBの「吉野妙さんのページ」に掲載させていただいたのと、ほぼ同じです)

 

その後、Wikiとかいろいろ調べたのですが、麻衣子さんの経歴については、どこにも記載がみつかりませんでした。司会の方のご紹介ですと、ウィーン(?)に留学中に不慮の事故に遭って…ということだったので、おそらくかなりのレベルのピアニストとしてのご留学中の事故だったのだと察します。その方が、数ヶ月の無意識状態から脱して現在も懸命にリハビリを続けながら、こうやってなんとか回復した左手で、一生懸命鍵盤をたたいていらっしゃる…かつては、もちろん両手で華麗に演奏されていたであろうピアノの鍵盤を!

わが身を振り返ってみますと…6年半前に自ら起こしたバイクの事故で左ひざを損傷、3ヶ月入院のあともしばらく松葉杖の生活を余儀なくされ、それでも必死のリハビリで、約1年後には大好きな山登りもなんとか再開でき、そして3年後には、かつての記録の3分の2くらいのスピードながら、長距離レースにも復帰し…という「努力のあと」をヒソカに誇っていたものですが、このピアニストの方の努力の前には…全く頭の下がる想いでした。

重い障がいを抱えつつも、懸命に演奏なさる平岡麻衣子さん(左)

重い障がいを抱えつつも、懸命に演奏なさる平岡麻衣子さん(左)

妙先生との接触は、期間の長さ(30ン年)の割にはそれほど多くないのですが、そのたびに何らかの「大切なもの」を頂戴している気がします。例えば、10・12に共演させていただいたリサイタルでは…(以下省略)。今回も、このピアニストの方とのめぐり合いという、またしても大きな贈り物を、図らずも頂戴してしまいました。私がこれから生きていく残り少ない人生での大きな糧になることは、疑いの余地がありません。
平岡麻衣子さん・・・懸命のリハビリの結果、どこまで回復できるのか誰にもわかりません。それでも「かなりの程度」まではイケルものだと信じます。がんばって下さい。私もまだまだがんばります。共にがんばりましょう!

演奏が終った瞬間のあなたの笑顔、とてもとてもステキでしたよ。

“地元でのチャリティ・コンサートでの衝撃ーある重い障がいを抱えたピアニストのこと” への2件のフィードバック

  1. 吉田優子 より:

    おはようございます。 はじめまして。
    チャリティーコンサートの主催を務めさせていただきました吉田優子です。
    もしかしてどなたがブログでコンサートのことを記事にされてる方がおられたらと思って検索をかけたらヒゲしげ爺さまにヒットしましてメッセージさせていただいております。
    さっそく平岡麻衣子さんにもお伝えしたいと思います。
    ひとつのコンサートがきっかけで知らなかったことを知ったり、出会えなかった何人もの人とのつながりができる。
    本当に音楽が繋げてくれて、応援してくださる誰かがいらっしゃることは練習の何よりの励みになります。
    今後ともどうぞよろしくお願いいたします。なお、私は吉田優子 フェイスブックを麻衣子さんのお母様も私も出演者のほとんどもしておりますので、是非是非よろしくおねがいいたします。 二胡 吉田優子で検索してみてくださいね。
    これからも是非つながっていけたら幸いです。

  2. ヒゲしげ爺 より:

    吉田さま、
    はじめまして、ここでは「ヒゲしげ爺」です。
    このページにたどり着いていただき、さらにご丁寧なコメントまでお寄せいただいたこと、深く感謝申し上げます。

    FBは、私もやっておりまして、ここではそこでの名前を明かせないのですが、まあ、なんでしたら、わが師匠吉野妙先生にでもお訊ね下さい。実は、この記事↑の前半部分は、先にFBの方に掲載したものです。てっきり、そちらからいらっしゃったのか…と思っておりました。

    平岡麻衣子さんのこと、会場で司会の方が「知ってらっしゃる方は?」とお訊ねになったときに、かなりの方々が挙手なさったのに、私は、全くお名前を聞いたことすらなく、さらにそのあとのご説明、さらに帰宅してパソコンの検索で調べたことなどから、これまで全く存じ上げなかったことを、たいそう恥じ入った次第です。
    ↑では、不遜にも私の膝の怪我と対比させたりしましたが、障碍の程度といい、事故からの年数といい、さらにはリハビリの期間の長さと、その内容(想像するしかありませんが…)のタイヘンさといい、ここに引き合いに出したことを、恥ずかしくさえ思います。

    私も、音楽愛好家の端くれで、FBにも(このページにも)書いておりますように、この10月12日(日)には大胆にも「デビュー・リサイタル」と称して、吉野妙さんと共演(!)させていただいたりもしました。また、今週からはいよいよ妙先生に弟子入りして、ピアノを習い始めることになっております。

    というわけで、音楽の魅力、自ら演奏することの素晴らしさは、素人の私なりに多少は理解しているつもりです。それでも、やはりあの猛烈に困難な状況下での麻衣子さんの懸命のご努力…全く「足元にも及ばない」のが正直な実感です。

    こんなオッサンでもよろしければ、今後ともこのページやFBを通じて、こちらこそよろしくお願い申し上げます。
    なお、麻衣子さんのお母様(ともこ様)よりもFBの方に個人メッセージをいただいておりまして、これからお母様にもご返事を書くつもりです。

    長文、失礼いたしました。
    ヒゲしげ爺

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です